絆

～競馬は人と人のつながり～

一頭の競走馬がデビューするまで色んな人の手が掛かり目標を
共有する者同士で絆が生まれるケースもあります。

なるべく特定の馬に私情を挟まないようにしていま
すが、ひと昔前どうしても忘れられないエピソードがありました。

このゼッケンを見てピンときた方も多いことでしょう。

そう、この子（マイディアソングの18）のお母さん

彼女も某クラブの出身で父はあのディープインパクト
非社台・ノーザン系クラブが日高産のディープ産駒（スカイじゃないよ！）
を募集するのは極めて異例のことでした。

脚元に弱いところがありデビューが３歳６月と厳しい戦いを強いられました。
育成担当者も重圧で苦悩の日々を送っていましたが、能力の高さは疑いようが
なくあとは馬自身が運を持っているかどうかの問題。しかしながら肝心の発馬
がひと息、それでも鞍上が毎日調教に跨り一戦一戦競馬を覚えさせてくれました。

背水の陣で挑んだ９月の札幌スーパー未勝利戦、中間にソエが出かかっていました。
特に開催終盤の札幌ダートコースはリスクが高く調整が難しいのです。
後にも先にも最後の勝負レース、一か八かで長めから追い切りを敢行しました。

本馬のファミリー２代に渡って担当し、かつては日本調教馬初のJC覇者カツラギエース
を手掛けた腕利き厩務員さん、ベテランの懸命なケアで見事勝利に導いてくれました。
普段は滅多に感情を表に出さない鞍上が検量室前で拳を天に突き上げ、厩務員さんと
ハイタッチを交わし生産者の顔を見た途端思わず込み上げてくるものが・・。
たかがローカル未勝利戦と言うなかれ、筋書きのないドラマは目標を共有する者にとっ
てGⅠレースに等しい価値ある１勝でした。

あれから８年の月日が流れ自分の生活環境もすっかり変わってしまいましたが、
巡り巡って彼女の産駒が目の前にいることに運命を感じずにはいられません。

元出資馬の子供を応援して下さる会員さんが多いと思いますが、今更ながら
気持ちが良く理解出来ます。

一頭のサラブレッドがつないでくれた絆は『マイディアソング会』として今
でも当時の関係者と交流が続いています。この子が一体どのような競走馬に
育っていくのか楽しみでなりません。

☆★☆★今週の出走ラインナップ☆★☆★

1/25（土）
小倉１Ｒ アンブローニュ
京都１Ｒ バンクオブクラウズ
小倉２Ｒ アースライザー
中山４Ｒ ザサンアップライト
小倉６Ｒ クイーンズトゥルー
京都９Ｒ ブラックジェイド
小倉11Ｒ ミラビリア

1/26（日）
中山１Ｒ　グルアーブ
小倉２Ｒ　エルズリー
小倉２Ｒ　ホウロクダマ
小倉５Ｒ　エンジェルティアラ
中山６Ｒ　アンデュレイト
中山７Ｒ　オルダージュ
中山７Ｒ　シークエル
京都８Ｒ　リーピングリーズン

shishimaru